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アレルギー性疾患への環境化学物質の影響

環境儀 NO.27

井上健一郎/小池英子/柳澤利枝
健康への影響が指摘されている環境中の化学物質。その実態を動物個体レベルで明らかにしつつ、細胞レベルでの毒性メカニズムの解明に取り組んでいます。

 近年、アトピー性皮膚炎やアレルギー性喘息、さらには花粉症やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーなど、アレルギー性疾患が小児を中心に急増しています。人間がつくり出した化学物質がその原因であったり、症状を悪化させる要因の1つではないかと危惧されています。

 アレルギー性疾患に対し適切かつ迅速な対策を打てるようにするためには、疾患が増加した要因の究明が必要です。そのため国立環境研究所では、「アレルギー反応を指標とした化学物質のリスク評価と毒性メカニズムの解明に関する研究—化学物質のヒトへの新たなリスクの提言と激増するアトピー性疾患の抑圧に向けて—」という特別研究を実施しています。まだ全体像の解明にまでは至っていませんが、これまでの研究の結果、低濃度の曝露でもアレルギー症状を悪化させる化学物質が存在することなどが判明しています。アレルギー性疾患増加の要因を解明するべく、現在も研究を継続し、より詳細な分析を重ねています。

 本号では、本研究の背景からこれまでの成果を広く紹介いたします。


 本研究に関する成果は、国立環境研究所のHPでご覧になれます。